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感動が最後の最後でパーだよチキショー!

卒業式を無事終えました。

小学部から通っていた学校なので、合わせて12年間もお世話になっていました。
まぁ・・・・小学部の頃のあたしは、体が弱くてほとんど通ってませんが。

12年間もいただけに、校内のすべてに思い出が残っていて、
ホントにこの学校に来て良かったと思います。

なつかしい思い出に浸りながら、友達と校内を歩いていると、
自然と涙が溢れ、その場所から離れがたい思いに捕らわれる自分がいました。
そこにいるのが義務であり、権利だった場所が、
明日からは母校という名に変わり、自由に入ることさえ出来なくなってしまう。
それがとても寂しく、小さな疎外感を覚えました。

あたしは12年間、ここで精一杯の活動をしただろうか。
なにか大切なことをやり残していなかっただろうか。
そんな後悔の念が、あたしの心を深く捉えます。

高校の3年間は、とくに楽しかった。
行動の幅が増えたことで、自由な意思を持てたからなのでしょうね。
誰かが言ってました。

『人生の残り最後の10年を捨ててもいいから、
 かわりに高校生活の3年間を、もう1度わたしに返してほしい』

この人の意思は、そのままあたしの思いに通じます。
かけがえのない3年間をもう1度取り戻せたら、それはどんなにステキなことでしょう。

それはただの夢。
どんなにあがいても、決して戻ってこない大切な時間。
離れがたき妄執に押しつぶされそうでした。

友人と歩く校内は静まり返り、なんだかお祭りの後のような寂しさを感じます。
みんなも自然と無口になっていた。
大切な思い出を、胸に刻み込んでいたのでしょうね。

現生徒会のメンバーが、あたし達旧生徒会のメンバーのために、
お別れ会を開いてくれました。
みんな優秀な子ばかりなので、きっと上手く活動してくれることでしょう。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、そろそろ日も暮れかけていたので、
あたし達は最後に、先生へ感謝の挨拶をしに、職員室へ向かいました。

ですが担任の先生は、職員室にはいませんでした。
担任は美術を教える先生だったので、
美術準備室にいるだろうと思い、そちらに向かいました。

準備室の前に立ち、静かにドアをノックし、部屋に入ると、
あたし達の担任の先生がいました。

涙に霞んだ目に映る先生の顔は、少し赤くなっていた。
窓辺にもたれ、外を眺めるその手には、
缶ビールが握られ・・・・

え? ビール!?

「あれ? 皆さんまだいたの? 先生はもう今日から暫くフリーダムですよ~~
 ケラケラケラケラwwww」

コイツ!! 酒呑んで酔っ払ってやがる!!

ビールの缶が何本も机の上に乗ってた!
いくら全部終わったからって、学校の中で呑むなよ!
そんなんだから、しょっちゅう校長にしばかれんのよ!
反省しろっての。
まぁ・・・・そういう先生だとはわかってたけどね;;

「あの・・・・先生に感謝の挨拶をと思って・・・・」
「あらそう。 ののさんは特に、いろいろ大変な生徒さんでしたからねぇwww」
「・・・くっ!(怒)」
「門が閉まるから、早く帰りなさいね。 バイバイ~^^」

台無しだよ!!
感動がすべてパーになったわ!!
あたしの涙を返せ!
ここまで気持ち盛り上げてきたってのに、なんなのこの担任は;;

なんだかバカバカしくなって、みんなでさっさと学校を後にしました。
まあとにかくあたしは、3月3日に高校を卒業しました。
みなさんありがとうございました。

by nonomiroom | 2010-03-04 23:44